本機はMk.2としては変わり種に属すると思います。つまり通常のMk.2ではありません。 私は今までかなりの数のMk.2をレストアしてきましたが、このようなモデルは今までに見たことはありません。素材的に何から何まで違います。 例えばシャシーは通常のMk.2は高めの共振音を持っているのですが、本機はそれよりやや低い周波数で鳴ります。 その音が金属的ではなく、木質系の響き方になるのです。 プーリーやステッププーリー等も軽く堅いという点では後期のものと似ていますが、質的に異なっていると思われます。 研磨を行っていると手に吸いついてくるのです。 トランスポート部品たちも通常のMk.2の様に金属特有の冷たさがなく、温かさを持ちます。 そして最も特徴的なのがモーターで、驚くほどきっちりと作られております。 内部のローターがまた独特で、通常のMk.2ですと全体に赤みかかった光り方を致しますが、本機のローターは銀色に光り、ローターシャフトもクローム的な光り方ではなく、銀色に鈍く光ります。 また本体胴部も灰色に光っていますが、注目すべきはこの胴部に刻まれたスリットが、通常のモデルでは直線であるのに、本機の物は稲妻型に刻まれております。このモデルは仕様が何処かプロ的な佇まいを持っています。 このような特徴を感じ得た結果、これはスペシャルモデルに仕上げていくべきと思えたので、それではMk.2のオリジナルの最高の物を作っておこうと考え実行致しました。 その為にモーターゴムブッシュに特別なチューニングを行い、またアイドラーノイズキラーも組み込みました。 通常よりもずっと時間をかけてレストアした結果、その再生音は今までにない音が出ていると私は思います。 特長的なのは、広大な音場で、オーケストラ等の再生を行うと通常のMk.2の倍くらい広がるように聴き取れます。 また可聴周波数的には、もはやM44や古いオルトフォンの再生領域を超えてしまい音が空間から抜けて行ってしまいます。 通常オフィスで試聴に使用しているオルトフォン製KS601型プリメインではもはや完全に本機の周波数帯域には追いつきません。広大な音場が作られると中心部が薄くなる傾向がありがちですが、本機にはそのような事はありません。 それは音が音場空間の中で自由に動き遊びまわる事が出来るからです。従って音が空間を埋め尽くすという八百屋の店先のような事は起こりません。 問題はアームでありますが、オルトフォン,SMEどちらでも良いのですが、アーム自体の感度つまり音楽にどれだけセンシティブであるかにより決定されると良いでしょう。
以上担当竹内のレストアメモです。
レストア中のこのモデルをお客様にお聞かせしますと、
皆さん、TD124 からこんなすごい音が出るの!と驚かれます。
一年ほど前に入荷したときから、竹内はこのモデルを意欲的にレストアしていました。
彼が書いていますように、他Mk.2とは違うものを嗅ぎ取ったからでしょう。
おかげで、このモデルは完成まで一年以上たっぷりかかりました。
センタースピンドルの軸受けメタルの磨き上げ、モータープーリの微細な表面仕上げ、
モーターを懸架するゴムブッシュにバネを仕掛け、アイドラー軸受け部にノイズカット用のカップを取り付けています(写真参照)。
時間をかけて、モーターも入念に育て仕上げました。
実はあまりの入れ込みように彼はこのモデル専用の敷き板まで作ってしまいました。
欠品の部品を手配したり、再修理を依頼する必要のない、ちゃんとしたモデルの極上の状態のセットです。 もちろん塗装もオリジナルのままで、目立つキズもありません。
スイス・ショッパー製アームボードに漆塗りアームボードや竹内が一枚一枚製作した専用敷板も用意できます。
また、オルトフォンアーム各種とカートリッヂ、SMEアームなどの状態の整ったピックアップもございます。
よろしくご検討ください
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