トーレンスのスピンドルと軸受けは原則的には壊れるなどということはありません。 一般的に言われるスピンドルの不良、すなわち回転の不具合は別に原因があります。

標準的なメタルスピンドルでは
A オイルがまったく注入されておらず、長期間放置されたために内部でスピンドルシャフトとメタルスピンドル軸受け内で
錆が発生し、くっついてしまっている場合

B 粗悪なオイルが注入され、かつスピンドルシャフトボックス内で錆と悪作用した結果回転不良となっている場合

C ボールベアリング受けプラスチックプレートがいちじるしく変形したもの

D プラッター等をスピンドル上に落下させ下部メタルカバーを変形させてしまったもの

ABはクリーニング、研磨等の修理、調整で問題はありません。
CDはこの部分のパーツを全部交換すれば完全に直すことができます。 この部分はプラッターの重量で自然沈下し
ベアリングのアタリを取り、回転をスムーズにしているのですが、このメタルが必要以上に変形したものは交換することになります。 
その他スピンドルシャフトの変形、たとえば取り扱い中の落下等で変形した場合も新しいものと交換することになります。
ベアリングに関しては何らかの故意によるもの以外は軽い研磨で大丈夫です。

ベアリングケース底部の交換について
この部分はベアリング受けプラスチックプレート部、シールドパッキン、メタルカバーの三つの素材で出来ています。 
ベアリング受けはプラッターの重量により中央ベアリング接地面が少しへこみ、そこにオイルが集まってベアリングをなめらかに廻す事ができるようになっています(ショッパー製作超精密センター・スピンドルも同じオリジナル素材使用) 
シールドパッキンはオイルをふくんでしっかりと密閉します。 
オリジナルはフエルト系かやわらかなベークライ製(ショッパー製作は特殊な紙製)スペーサーをしっかりとホールドします。 
ここのへこんだ部分がスタイラス取付事のスピンドルボックスとのわずかな高低により中に折り込むように、
いわばメタルカバーでプレスしたようになっています。 メタルタイプはプロトタイプ的な初期プラスチックスピンドルボックスタイプより音質的に良い意味でこなれており、個体的な音質のバラツキがあまりなく、プレイヤーとしての完成度が高いのです。 
トーレンスにおいてはスピンドルだけでその音質が変わるわけではなく総合的にバランスを取っているため、その意味でも安定した音が楽しめます。



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スピンドルの内部構造と調整について